舌の癖とは??
~舌と歯並びは切っても切れない関係!?~
舌の癖を指摘されたことがありますか?
歯列矯正をしようと思い、矯正歯科で指摘されなければあまり意識することはないかもしれません。
でも実は、矯正治療を行う上で見るべき最も重要なものの一つが「舌(した、ベロ)」👅です。
患者さんの話を伺いながら、話しているときの舌を確認したり、飲み込みの際に舌が出てこないかを見ながらチェックしています。
舌癖とは、話す際に通常の位置にないので「サ行」「タ行」「ナ行」「ラ行」などが舌足らずな構音に
なったり、飲み込みの際に「乳児型の嚥下」と言われる舌の突出がみられるもののことをいいます。
なぜ矯正治療において舌が重要かというと、、、
1.そもそも歯並びが悪い原因が舌である
例えば、舌で歯を押していると歯と歯の間に隙間ができて、開咬(前歯がかみ合っていない)の状態となります。
もしくは歯が前方に押されて、隙間が空く「空隙歯列」のように隙間が空いた歯並びになります。
2.顎の成長発育に影響
受け口のお子さんは、殆どが舌が下に位置しています。そうすると舌で下の歯や顎を押すことになる
ので成長期の場合は下顎の成長をさらに促してしまうのです。
また上あごについても、舌の位置が下にあると上あごの成長が減弱し、小さな上あごとなり受け口を
より悪化させます。特に受け口は小児期に矯正治療をお勧めするかみ合わせですが、舌の位置の改善は
不可欠なアプローチです。
【ちなみに舌の正しい位置は上あごのこちら ↓ 】
3.矯正治療後に後戻りしやすい。
後戻りのしやすさは個人差がありますが、矯正治療が終わっても舌の癖があるとより後戻りしやす
くなります。よって矯正治療と並行して、矯正終了時にまだ舌の癖があれば引き続き舌の訓練をして
癖を引き続き改善する必要があります。
4.歯根吸収や歯肉退縮(ブラックトライアングル)が起こりやすい。
舌の癖があると歯を無理やり前方へ押し出す力がかかります。ジグリングと言って舌で無理に押し
出して、元の位置にはが戻って、また舌で歯を押してという具合に歯が前後に揺らされることになり、
その力は歯や歯茎には負担なので、より歯の根が短く成ったり、歯茎が下がりやすくなります。
⭐その他、飲み込みへの影響なども
誤った舌の動きを改善することは長期的にみて飲み込みの障害を起こす可能性。人生100年時代、おい
しいものを最後まで食べたいならば歯並びと舌の癖は直して行きましょう😁!
参考文献:舌の舌のトレーニング わかば出版、PREORTHO こども歯ならび矯正法 Forest-one